つけものは、心づくり

創業明治三十五年

Kyotsukemono Daiyasu

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大安 120年の歩み
大安 120年の歩み
大安 120年の歩み
大安 120年の歩み
120th

社長よりご挨拶

代表取締役社長 大⻆安史

 本年5月17日に弊社は創業120周年を迎えます。大きな節目を迎えるにあたり、弊社を引き立ててくださる、お客様、お取引先様、ご指導賜ったすべての皆様、そして先人に心より感謝申し上げます。また、今の大安を支えてくれている多くの従業員にも感謝の心で一杯です。
 弊社は明治35年、私の曽祖父である大⻆安治郎が16歳で創業致しました。当時、漬物は家で漬けて当たり前であり、公然と買うことが憚られた時代であったと聞いています。そんな時代ではありましたが明治時代の近代化とともに徐々に「買うもの」に変化してまいりました。時代の変化のおかげで、今、私たちは漬物を生業とさせていただいてます。
 創業から120年、良い時ばかりではなく苦難も多くありましたが、その都度乗り越えて今に至ります。現在はコロナ禍という未曽有の困難に直面していますが、前向きに捉えると、このような時に周年を迎えられたことは幸運であったかもしれません。120周年ということは2度目の還暦であり、3周目のスタートです。創業の精神を礎にしながらも、過去に囚われすぎず、心機一転、新しいことにチャレンジする好機であると考えます。お客様の幸せのために私たちができることをしっかり考えて実行することで未来を拓いてまいります。
 時代の変化のおかげで漬物が生業となりました。私たちはそのことを忘れることなく、これからも時代の変化を捉え、お客様のニーズに合う形で価値のある商品やサービスを提供してまいります。引き続き、皆様からお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。

株式会社大安
代表取締役社長 大⻆安史

大安の歴史

大安の歩み

1902年明治35年

大⻆安治郎
安治郎青年期(明治35年)

大⻆安治郎「大安」を創業

創業者・大⻆安治郎は1886年(明治19年)、京都市左京区吉田中大路町に生まれました。
錦林尋常小学校補習科卒業後、12歳で漬物商に丁稚奉公に入り漬物づくりのいろはを学んだ安治郎は、16歳のとき「大安商店」を独立開業しました。1902年(明治35年)5月17日のことでした。
当時、漬物屋は「くき(茎)屋」と呼ばれ、「きいィ、きいィ」という呼び声で売り歩いていました。いつしか「きいやはん」と呼ばれるようになり、安治郎の愛称となりました。

1928年昭和3年

配送車
写真は昭和13年「酒乃友本舗」と書かれた配送車

大安復活の味「酒の友」

120年の歴史の中で、一時大安ののれんを下す事態があったと記録が残っています。大正9年、暖冬のため大量の「すぐき」が腐ってしまうという不運に見舞われたのです。一度店をたたんだ安治郎ですが、翌年、正月用の漬物「玉椿」づくりで再起をはかり、細々と商いを続けます。
そして昭和3年、伏見稲荷の初午詣の帰りに酒席で口にした割干大根の漬物にヒントを得て、「酒の友」が誕生しました。納得のいく味に仕上がるまで何度も試作を重ねた「酒の友」は大変好評で、安治郎は漬物界に返り咲いたのです。

1930年昭和5年

岡崎広道本店
写真は昭和25年頃

岡崎広道に本店を構える

現在の大安本社地である左京区岡崎に移ったのは昭和5年のことです。漬物の漬け込み場と店舗、住居を兼ねていました。当時は学生向けの下宿も営んでいたといいます。
現在は店舗・事務所となっており、観光客や地元の方で賑わっています。

1950年昭和25年

百貨店
写真は昭和30年代

百貨店に進出

高級品だけが店頭に並ぶ百貨店に、京つけもの屋として初めて出店したのが大安といわれています。
安治郎は、家庭で日常の食事として漬けられていた漬物を、姿や色の美しい野菜を使って「京つけもの」として仕上げ、贈答品としての需要を獲得していきました。
昭和25年、酒の友が農林大臣賞を受賞したのを機に百貨店に直営店をもち、販路を広げていったのです。

1952年昭和27年

かぶちゃん
昭和41年頃のかぶちゃん

株式会社大安として新発足
マスコットキャラクター
「かぶちゃん」誕生

各企業にマスコットキャラクターが置かれるのはまだまだ珍しい時代から、聖護院かぶらをモチーフにした「かぶちゃん」の人形を作り、タクシーの運転手さんや修学旅行のお客様に配り、大変喜ばれました。
「かぶちゃん」は現在も大安のマスコットキャラクターとして親しまれています。

1963年昭和38年

千枚漬を献上
写真手前が安治郎

宮中へ千枚漬を献上

大安の千枚漬は昭和38年以降毎年、宮中へ献上させていただいています。
献上する千枚漬は、安治郎自ら白衣を着て樽に詰め、その樽を吉田神社で祈祷してもらっていたと記録が残されています。

1970年昭和45年

晩年
晩年のある日(昭和43年頃)

創業者 大⻆安治郎、永眠
2代目社長 大⻆正幸就任

漬物屋としての生涯を貫いた安治郎。
晩年に詠んだ自作の詩があります。

私は知らぬ間に齢をとってしまった
かく齢老うまで、漬物屋で通してきた
昨日も今日も、そして明日も
私は漬物屋だ

1976年昭和51年

千枚漬が総理大臣賞を受賞

1990年平成2年

本社工房

伏見区に「本社工房」完成

生産現場である本社工房。あえて工場と呼ばずに工房と呼んでいるのは、つくるだけでなく考える場でもありたいという気持ちが託されています。

2000年平成12年

天然調味料化スタート

2002年平成14年

天然調味料化、
原材料の完全国産化完了

2014年平成26年

ちいさなだいやす

3代目社長 大⻆安史就任
「ちいさなだいやす」
販売開始

「漬物は切るのが面倒」「量が多くて食べきれない」といったお客様の声から、食べ切りサイズのカップ入り漬物が誕生しました。受け継がれた伝統を大切に守りながらも、時代のニーズに合わせて新しいお漬物のありかたを提案しつづけています。

2022年令和4年

創業120年を迎える